(医)英和会 坂本内科胃腸科クリニック 中山駅駅前
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院長室だより               

★ロタウィルス感染症★

主な感染経路は糞口感染である。汚染された水や食物などを触った手からウイルスが
口に入って感染が成立する接触感染の可能性も指摘されている。
小腸粘膜障害にて、小腸からの水の吸収が阻害され下痢症を発症する。潜伏期間は
48時間前後である。主に乳幼児に急性胃腸炎をひき起こす。主症状は腹痛、下痢、
嘔気、嘔吐、発熱(39℃を超えることも多い)である。通常、1週間程度で自然に治癒する。
脱水が著しい場合は合併症として腎不全・高尿酸血症を起こす。胃腸炎に関連した良性けいれん
を起こすことがある。予後良好であるが、脳炎・脳症の報告もある。成人もロタウイルス感染症に
罹患する。ロタウイルスは感染症を繰り返す毎に症状は軽くなっていく。


★ノロウィス感染症★

ヒトへの感染経路は、主に食品からの経口感染もしくは糞口感染である。感染者の糞便や吐瀉物、
もしくはこれらに汚染された物品での飲食が感染源の代表例として挙げられる。飛沫感染、あるいは
比較的狭い空間などでの空気感染によって感染拡大したとの報告もあり、ホコリとともに周辺に
散らばるような様を示す塵埃感染という呼び方もある。小腸からの水の吸収が阻害され下痢症を発症
する。潜伏期間は24~48時間である。嘔気、嘔吐、下痢、腹痛が主症状である。最初は腹痛と嘔気で
発症することが多い。頭痛、悪寒、筋痛、咽頭痛、倦怠感などを伴うこともあり、発熱(38℃程度)が
みられることもある。症状は48~72時間持続し、自然軽快する。ただし乳幼児、高齢者、免疫不全者
では脱水などの合併症を起こすことがある。高齢者では、嘔吐、下痢によって誤嚥・窒息する場合もあり、
注意が必要である。


★急性細菌性前立腺炎★


前立腺の急性の細菌感染症で、起炎菌は大腸菌が最も多く薬剤耐性菌は少ない。
38℃以上の発熱と排尿痛、残尿感、頻尿といった膀胱刺激症状があるが、急性単純性
腎盂炎でみられるような腎部の叩打痛はない。前立腺の腫張が強い時には尿閉となることがある。
多くは膀胱炎を伴い、中間尿の定量培養で起炎菌が分離・同定される。起炎菌が同定される以前の
empiric therapy としては大腸菌に抗菌力のある薬剤、すなわちセフェム系薬あるいはキノロン系薬
が一般的である。


★破傷風★


破傷風の国内発生は減少しているが、発展途上国では現在でも多くの患者が
発生している。発症すると致死率の高い疾患であるので、予防接種を適切に
行うことが重要である。破傷風菌は土壌や動物の糞便中など環境中に広く存在
する偏性嫌気性グラム陽性桿菌である。潜伏期は3~21日程度(多くは8日
以内)である。典型的には痙笑、開口障害、嚥下困難など主に頭頸部の筋強直から
始まり、全身けいれん、呼吸困難、交感神経過緊張などの全身症状に移行していく。
初期症状としては開口障害が最多で、半数以上の患者に認められる。高体温、頻脈、
高血圧などの交感神経症状は第2病週に出現することが多い。外傷歴、予防接種歴、
破傷風特有な症状(開口障害など)から臨床的に診断する。創部から破傷風菌が
検出されることはまれである。ほとんどの症例では抗破傷風毒素抗体は検出感度以下
である。


★とびひ(伝染性膿痂疹)★


伝染性膿痂疹は、皮膚の表皮角層から有棘層上層にかけて水疱や膿疱が生じる疾患で、
一人の固体で複数の部位に伝搬するため、「とびひ」と呼ばれる。とびひの原因の多くが
黄色ブドウ球菌によるもので、一部、A群レンサ球菌が原因となる。

とびひは、湿疹や虫刺されの皮膚を掻破し、その箇所に感染を起こすことによって
形成される。小児に好発するといわれており、実際の報告では罹患児の平均年齢が4~6歳と、
ちょうど就学前の幼稚園や保育園に通っている世代に多く、季節としては、夏に多いと考えられる。


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