(医)英和会 坂本内科胃腸科クリニック 中山駅駅前
TEL:045-935-7811
患者さんの立場にたった、分かりやすい治療を心がけています。消化器の専門医として新しい技術を取り入れながら地域医療に貢献していきます。

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院長室だより               

★超音波内視鏡検査★

・超音波内視鏡検査(EUS)は消化管の内腔から、良・悪性の鑑別診断、
悪性疾患の深達度診断、病変の存在する周囲臓器や血管との位置関係や周囲の
リンパ節の情報を得る検査です。EUSにより描出された病変の良・悪性の
鑑別診断には限界があり、EUS診断能の向上のため近年はEUSガイド下穿刺吸引法
(EUS−FNA)が行われている。
・EUSは内視鏡を挿入して行うため、通常の内視鏡検査が可能であれば行うことができる。
消化管では食道癌、胃癌、大腸癌の深達度診断・リンパ節転移、食道アカラシア、食道胃静脈瘤、
消化性潰瘍、粘膜下腫瘍、炎症性腸疾患などの診断に用いられる。
・胆膵領域では胆嚢癌、胆道癌、乳頭部癌の深達度診断・リンパ節転移、胆石症、胆嚢ポリープ、
胆嚢炎、胆管炎、胆嚢腺筋腫症、膵・胆管合流異常、膵腫瘍、腫瘤形成性膵炎などの診断に用いられる。
・全身状態がきわめて不良な場合やイレウス、消化管穿孔、呼吸器疾患や循環器疾患などで内視鏡
検査を行うことが危険と判断される場合には、原則的に禁忌である。
・EUS−FNAの主な適応は消化管粘膜下腫瘍、膵臓および膵臓周囲腫瘤性病変、
消化管周囲リンパ節、縦隔病変、EUSにて描出される少量の胸水や腹水などである。
EUS−FNAの主な禁忌としては、出血傾向がある場合、EUSにて病変が描出できない場合、
EUS−FNA実施にて強く合併症の発生が危惧される場合などである。


★内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査(ERCP)★


内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査は、十二指腸内視鏡を用い、
直視下に十二指腸乳頭開口部より細いカテーテルを挿入し、造影剤を
逆行性に注入することにより膵・胆管をX線透視下に直接造影する検査法
である。膵・胆道疾患の画像診断としてのUS、CT(MRCP)では
得られないような重要な情報が得られることから、診断のうえできわめて
有効な検査法で、経乳頭的内視鏡処置にも用いられる。また、膵管より
直接採取された膵液や、膵管内ブラッシングにより得られた検体で、膵癌の
細胞診も行うことができる。適応は乳頭部を含む胆膵疾患で、特に診断の
ために膵胆管像が必要な症例である。侵襲の小さい他の画像検査法
(US、CT、MRCP)を行ったうえで、さらに悪性疾患との鑑別、治療法
の決定などの必要性に応じて行う。総胆管結石や閉塞性黄疸などに対する経乳頭的
内視鏡処置のためにERCPが行われることも多い。禁忌は、一般的な上部消化管
内視鏡検査の禁忌に加え、急性膵炎の急性期、慢性膵炎の急性憎悪期である。
胆石性急性膵炎では、胆石除去を目的に行われる。造影剤に対しアナフィラキシーショック
の既往がある場合は禁忌ではある。また、X線透視下で行う検査であるので、
女性では妊娠の有無も確認する。


★GIST★

GIST(gastrointestinal stromal tumor)とは、
以下の2つの特徴をもった腫瘍である。

@腫瘍細胞がCajalの介在細胞の性質を持つ。
Ac-kit 遺伝子の機能獲得性変異が腫瘍の発生に深く関与する。

・形態学的には、平滑筋細胞や神経細胞由来の腫瘍を思わせる紡錘形細胞の増殖からなる。
・消化管間葉系腫瘍の80%〜90%をGISTが占めるとの報告もある。
・発症部位は、胃が60%〜70%、小腸が20%〜30%で、大腸・直腸や・食道では5%以下である。
・発症頻度は、人口100万人あたり20人と推測されている。
・好発年齢は50〜60歳代である。
・症状は、出血、腹痛、腫瘤触知である。
・典型的なGISTは、消化管造影や内視鏡検査で粘膜下腫瘍として認められる。
・GISTの進展様式や進行の検索にはCTやMRIが有効である。
・確定診断には病理組織学的検査が必要である。


★Cronkhite-Canada症候群★


Cronkhite-Canada症候群は、蛋白漏出性胃腸症による低栄養状態と、皮膚色素沈着、
爪の萎縮、脱毛などの徴候を伴う非遺伝性疾患で、病因は不明である。若年性ポリープに
類似した、襄胞状の腺管拡張を特徴とする隆起が、胃、小腸、大腸、まれに食道に発生する。
消化管(大腸、胃)には腺腫や癌の合併も認められる。治療は癌合併例を除いて保存的に行う。
薬物療法では副腎皮質ホルモンが奏効する場合がある。最近は、栄養改善の目的で完全静脈栄養法
や成分栄養法が行われ、予後は比較的良好である。


★Peutz-Jeghers 症候群★


Peutz-Jeghers 症候群は、皮膚粘膜の色素沈着と消化管の過誤腫性ポリポーシス
を合併する常染色体優性遺伝性疾患である。原因遺伝子の1つとして第19染色体の
LKB1遺伝子の異常が確認されている。
・消化管癌の合併率は20〜25%で、卵巣癌、子宮癌、膵癌など
多臓器の悪性腫瘍合併も効率である。
・イレウス症状、腹痛、血便、ポリープの肛門脱出を主症状とする。
約半数の症例で腸重積を合併する。
・治療はできるだけ保存的に行い、大きなポリープについては内視鏡的
あるいは外科的にポリペクトミーを行う。


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